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【初めての動物病院】

著作:のりだーさん



これはお姉ちゃんが育児ノイローゼ気味になる前の話です.
お姉ちゃんの家にもらわれてきて,しばらく経った頃,
ボクは初めて動物病院というところへ行きました.
混合ワクチンというものをするのだそうです.
動物病院に着いて,お姉ちゃんが手続きをしていると,
受付のお姉さん達が「かわいい〜」と頭を撫でてくれました.
誉めてもらったからには愛想を振りまかねば・・・!!
妙な義務感に駆られてそこら中の人にキスして歩きました.
この頃のボクは“大きなぬいぐるみ”程度の大きさだったので,
たいしたことはなかったのですが,大きくなってから人間の顔を舐めると
“ピラフパック”だと言われました.
体も大きけりゃ顔もでかい!舌も長い!というわけで,ボクに舐められると
唾液でデロデロになってしまうんです.しばらくするとデロデロになったのが
乾いて,ぴーんと突っ張ってくる・・・これがピラフパックです.
まるで卵の白身のように,突っ張ってテカテカ光ってきます.
続けるとキレイになれること請け合い???
毎日やっているお姉ちゃんを見てもらえば,効果は一目瞭然です(笑)

待合室でみんなにピラフパックの無料奉仕をしていると,
順番が来て名前を呼ばれました.
診察室に入ると先生がいたので,またしても愛想を振りまきました.
しっぽをフリフリ,手や顔をペロペロ・・・・
しっぽというのはそもそも振るためにある!と思っているボクなのです.
先生は「ちょっと色々見せてね〜」と言うと,ボクの口をあ〜んと開けたり,
耳の中に鳥のくちばしのような器具を入れたり,あかんべーの要領で
まぶたをひっくり返したり,聴診器でお腹の音を聞いたり,挙げ句の果てには
体温計をお尻に突っ込んだり・・・とにかく色んなことをしました.
お腹や皮膚にも寄生虫は見つからず,「悪いところはありません」
と太鼓判を押されて,最後に背中にちっくん!と注射を打たれました.
病院が初めての子は,怖くって鳴いたり暴れたりすることが
ままあるそうですが,ボクは平気でした.
先生に遊んで(違うってば)もらうのが嬉しくって,最初から最後まで
はしゃぎっぱなし・・・・注射なんて「へ」でもありません.
病院から出るときも「あ〜楽しかった(^o^)」ってなもんです.




無事に2度のワクチン接種が終わると,ボクは外へお散歩へ行けるように
なりました.外へ行くには首輪とリードというものを付けなければなりません.
お姉ちゃん愛読?の育児書には「まずリボンなどで慣れさせる」とあったとかで,
最初は首輪の代わりにリボンを付けてもらいました.
今まで何も付けていなかったので,非常に気になります.
器用に自分の首を追いかけて,グルグル回っていたらコケました.
苦心惨憺,ようやくむしり取ったリボンに仇のように噛みついて
ボロボロにしたら,お姉ちゃんがため息をついていました.
「首輪&リードじゃダメかなあ?」
考えたお姉ちゃんはハーネスを買ってきました.
でも,これだと付けるのがすごーく大変なんです.
片足づつ輪に通さなきゃいけないのに,気がはやって一つの輪に
両足を突っ込んでみたり,ようよう装着しても走り回ると手足に
絡まって動けなくなる始末・・・(×_×;)
おまけにボクの成長速度が早すぎて,一週間も経ったら
もう小さすぎて使えなくなってしまいました.
お姉ちゃんとボクとで試行錯誤を繰り返した結果,最初に試した
首輪&リードに落ち着きました.

さて,いよいよ外の世界です.
とにかく好奇心旺盛なボクは,目に付くものすべてが珍しくて
あちこちへ突進しました.
今まで見たことのない人や動物,聞いたことのない音,
嗅いだことのない匂い・・・・お得意の「確認」作業をしなきゃ
気が済みません.
力一杯引っぱると喉がげぇ〜っとなるんですが,そんなこと構っちゃいられません.
「おねーちゃん,早くぅ〜!!」
パワー全開で飛び回るボクに,お姉ちゃんは付いてくるのが精一杯です.
行き会う人には愛想を振りまこうとするし,車が来ていても
車道に飛び出そうとするし・・・お姉ちゃんは神経がすり切れんばかりです.
散歩から帰ってくる頃には,お姉ちゃんはへとへとになっていました.
育児ノイローゼ・帰宅恐怖症の次は,散歩拒否症になりそうです.




「この調子じゃ,大きくなったら私の手に負えない.
訓練所に預けてみようか・・・?」
お姉ちゃんは本気でそう考えたことがあったそうです.
でもお金もかかるし,一番可愛い盛りに一緒に暮らせないというので
愛読の育児書を片手に,頑張って自分で躾けることにしたのです.
そんな裏事情などちっとも知らないボクは,
それからもお姉ちゃんをお散歩させる(違うってば!)毎日でした.
でも,いつも同じコトで何回も,何十回も怒られているうちに
おぼろげながらお散歩のルールがわかってきました.
そうか,お姉ちゃんの歩調に合わせていれば,首が苦しくならないんだ!
まっすぐ歩けばリードが絡まって動けなくなることもないんだ!
なーんだ,簡単じゃん.楽勝,楽勝〜(^^_)♪
(何が楽勝やねん?)
お小言でボクの耳にはタコ,お姉ちゃんの口にはイカが出来そうな頃,
お散歩のルールをマスターしたボクでした.
そして,散歩で出会う犬達との触れ合いの中で
徐々に犬社会にも溶け込んでいったのです.



つづく?




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